EV・自動運転を支える8兆円戦略! NTTが仕掛ける電力×通信×AI統合の全貌とは
NTTは2023~2027年度に8兆円を投じ、IOWNを軸に光電融合や都市OS、省電力データセンターを統合。電力・通信・AIの制約を同時に解消し、EV充電や自動運転を含む都市交通の最適化を狙う。
三層統合が切り開く構造転換

この戦略には三つの不確実性がある。
光電融合デバイスの量産性や分散データセンターの運用コスト、自治体や電力会社との制度調整など、実装の壁は小さくない。5年で8兆円規模の投資は通信企業として異例で、回収にも長期間を要する。加えて、金利上昇はEBITDA(支払利息・税金・減価償却費を差し引く前の利益)には直接影響しないものの、採算性を揺るがす外部要因であることも確かだ。
それでもNTTが踏み込むのは、電力、通信、AIが都市交通の制約として急速に重くなり、個別産業では解けない構造課題に変わりつつあるためだ。IOWNを核とする三層構造──都市OS、電力制御、統合通信──が予定通りに実装されれば、EV充電のピーク負荷は平準化され、自動運転は電力制約に縛られず拡張できる。都市交通はリアルタイム需給で動的に最適化される。
これは効率化にとどまらず、交通の成長を阻んできた電力、通信、計算の三つのボトルネックを同時に解消する構造改革だ。
・EVフリートの大規模化
・自動運転の商用拡大
・再エネと交通の統合運用
など、従来は困難だった領域も射程に入る。難易度は高いが、成功すれば日本の交通産業が直面してきたインフラ制約を反転させ、成長条件そのものを作り替える可能性を秘めている。