いすゞ「乗用車復活」の日は来るのか? 撤退から30年以上……トラックメーカー視点で読み解く再参入の課題とは
かつて117クーペやベレットで日本の乗用車市場に存在感を示したいすゞが、商用車で築いた年間30万台規模のASEAN生産基盤を武器に、EV・SUV需要が伸びる国内市場への再参入を検討する。ブランド再構築と提携戦略が成否のカギとなる。
ブランド戦略の重要性

いすゞが乗用車市場で再び存在感を示す可能性は残されている。他社との資本提携や技術連携を戦略的に活用し、商用車に次ぐ収益の柱として確立できるかが、いすゞにとっての分水嶺となる。市場関係者の間では、いすゞ乗用車への待望論が根強く、ファンやディーラーからも復活を期待する声がある。
一方で、経済合理性に基づく慎重な判断と段階的な市場開拓が求められる。ASEAN市場で築いた確固たる地位を基盤に、乗用車ブランドをいかに明確に打ち出せるかが再参入の成否を左右する。現場では、マーケティング担当者や販売員がブランド浸透のスピードや認知度向上の手応えを直に感じることになるため、戦略設計にはリアルな現場感覚が欠かせない。
商用車市場で新生アーチオンとの競争が厳しくなる来春以降に、いすゞが乗用車市場への再参入を検討する契機が訪れるか、業界全体が注目することになるだろう。