いすゞ「乗用車復活」の日は来るのか? 撤退から30年以上……トラックメーカー視点で読み解く再参入の課題とは

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かつて117クーペやベレットで日本の乗用車市場に存在感を示したいすゞが、商用車で築いた年間30万台規模のASEAN生産基盤を武器に、EV・SUV需要が伸びる国内市場への再参入を検討する。ブランド再構築と提携戦略が成否のカギとなる。

技術転用による差別化

いすゞ・D-MAX(画像:いすゞ自動車)
いすゞ・D-MAX(画像:いすゞ自動車)

 国内の乗用車新車販売台数は2024年に約373万台だった。内訳は

・普通自動車:176万台
・小型四輪車:77万台
・軽四輪車:120万台

である。唯一、普通自動車だけが伸び続けており、今後も電動化やSUV人気の高まりによって成長余地は残されている。

 いすゞが乗用車市場に再参入する場合、ASEAN向け商用車で培った技術を転用することで独自のポジションを築ける可能性がある。現地ユーザーからの評価や耐久性に関するフィードバックは、乗用車開発にも活かせるだろう。他メーカーとの提携による生産・販売の効率化や、海外メーカーとの技術・資本の連携を通じて、参入コストを抑えることも可能である。

 電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の開発競争は激化している。しかし、適切なパートナーを選ぶことで参入障壁を低く抑える道は残されている。いすゞは1980年以降、スズキ、スバル、ホンダ、日産、トヨタ、マツダなどと提携と解消を繰り返してきた。こうした過去の経験は、現場レベルでの技術連携の実効性や市場対応力を示す指標ともなる。

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