鉄道より煎餅? 崖っぷちローカル線が仕掛ける「お菓子サバイバル作戦」とは
銚子電鉄は、年間利用者わずか約20万人のローカル線ながら、菓子製造で赤字を補填し、クラウドファンディングでは500万円を集めた異色企業だ。「ぬれ煎餅」を武器に“日本一のエンタメ鉄道”を掲げる同社は、ローカル鉄道の限界を超えたビジネスモデルを実証しつつある。では、この“推される鉄道”は本当に持続可能なのか――。
エンタメ性の裏付け

銚子電気鉄道は「日本一のエンタメ鉄道を目指す」としている。実は鉄道事業自体、伝統的にエンタメと近い関係にあった。阪急グループが創設した宝塚歌劇団は広く知られている事例だ。かつては大手私鉄の多くがプロ野球球団を所有していた。
エンタメにはメディアの存在が不可欠だ。近年はネット媒体が隆盛を誇る。しかし、かつてはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌といういわゆる4媒体をいかに巻き込むかがエンタメ成功の鍵とされていた。一方、鉄道業は自らがメディアを保有する。
・駅張り
・中吊り
・車体広告
・車内放送
などがそうだ。鉄道業はその存在自体がメディア・広告業でもあったといえる。
もちろん、銚子電気鉄道のような小規模私鉄にとって、メディア・広告業による収益は限定的かもしれない。しかし、自らが仕掛けるコンテンツを自らのメディアに載せられるという構造は大手私鉄と変わらない。
また、他エンタメとのコラボも実現しやすいポジションにある。自らがメディアを持っているためだ。2022年に実現したきゃりーぱみゅぱみゅとのコラボはそのよい例だ。これは、きゃりーぱみゅぱみゅと銚子電気鉄道というふたりのタレントによる競演ともいえる。
鉄道業の規模は小さい。だが、自らのメディアを駆使し、それをネットメディアなどに大きくレバレッジをかければ、銚子電気鉄道が目指す日本一のエンタメ鉄道は決して大風呂敷ではない。