本当に“エンジン車”で大丈夫? トヨタ新型「ランクルFJ」が示す市場戦略の深謀とは
トヨタが新型「ランドクルーザーFJ」を投入。2.7リッターガソリンと短ホイールベース化で耐久性と扱いやすさを両立し、電動車比率22%の世界市場で新興国中心の戦略展開を試すモデルとなる。
内燃機関回帰の意味

トヨタ自動車は2025年10月21日、新型車「ランドクルーザーFJ」を世界初公開した。日本での発売は2026年年央ごろを予定しており、10月30日から11月9日まで開催される「ジャパンモビリティショー2025」でも展示される。
ランドクルーザーはこれまで、フラッグシップモデルの300シリーズ、ヘビーデューティモデルの70シリーズ、中核モデルの250シリーズの三本柱で展開してきた。今回新たに加わるFJは、「自由に楽しむ」という価値を提供するモデルとして位置づけられ、従来の理念にとどまらず、幅広い顧客層や利用シーンを見直すきっかけになる車といえる。
ボディ全長は4575mm、ホイールベースは250シリーズより270mm短い2580mmで、最小回転半径は5.5m。取り回しやすさを高めつつ、2.7リッターガソリンエンジンと6速ATを搭載し、耐久性と信頼性に定評のあるアセアン向け商用車プラットフォーム「IMV」を採用する。
本稿では、電動化を加速させるトヨタがあえてエンジン車を投入した背景に迫る。FJは、多様な市場ニーズや地域環境に応じて戦略的に位置づけられたモデルであることを明らかにしていく。都市部や若年層のライフスタイル、海外市場での需要動向を考慮し、ブランド体験や販売戦略の拡張にどうつなげるかが、このモデルの検証モデルとなるだろう。