スマホ配車アプリは「敵」か「味方」か? 東京の7割を支配する「流しタクシー」が阻むデジタル改革の現実
日本のタクシー市場で、流しが依然70%超を占める現実を前に、配車アプリ普及は進化型導入が鍵となる。秋田では無線配車66.77%、東京都でも流し70.72%と、既存の仕組みと親和的な設計が求められる。
流しタクシーとの運賃差

前述の国土交通省の資料にもある通り、アプリ配車には
「配車手数料」
が存在する。これはアプリ運営者、すなわちプラットフォーマーの利益であり、ドライバーの報酬には含まれない。さらに忙しい時間帯には「優先配車手数料」が設定されることがあり、数百円から1000円程度の追加料金でマッチング成功率が高まる仕組みである。
もしアプリでタクシーを呼ぶ場合、目の前に流しのタクシーがあればそちらに乗った方が運賃は安くなる。プラットフォーマーへの手数料がかからないためである。この事情が、タクシー会社が配車アプリの普及に慎重になる一因となっている。
近年、ライドシェアアプリでは
「ピックアップ地点を限定する」
傾向が強まっている。増加するライドシェア車両による混雑や既存タクシー会社との摩擦を避けるため、
・空港
・鉄道駅
・観光地
・繁華街
では、オンライン配車プラットフォームによる車両の乗車地点が固定される。降車地点は自由だが、ピックアップ地点ではユーザー自身が指定された場所に向かう必要がある。
つまり、タクシーやライドシェア配車アプリの特徴であった、どこにでも車両を呼べる機能が、制限されつつあることを意味するのだ。