洋上風力発電は「切り札」となり得るのか? 自給率12.6%の日本に立ちはだかる「理想」と「現実」の壁
洋上風力は政府が2040年までに45GW導入を掲げる成長戦略の柱だが、建設費は陸上の2倍、海底ケーブルだけで数百億円規模に達する。2025年には三菱商事が撤退を発表し、理想と現実の乖離が鮮明になった。低い自給率12.6%の日本にとって、この難題の行方はエネルギー政策全体を左右する。
洋上風力の現実壁

2050年のカーボンニュートラル宣言以降、日本のエネルギー政策は大きな転換点を迎えている。化石燃料依存から脱却するなか、再生可能エネルギーを主力電源に育てることが急務になった。
なかでも注目されるのが
「洋上風力発電」
である。四方を海に囲まれた日本は、陸上では得られない安定した強風を利用できる洋上風力の導入に適している。政府は2040年までに最大45GWの洋上風力導入を目標に掲げ、大規模な計画を進めている。しかし、理想的な青写真とは裏腹に、現実は厳しい課題に直面している。
2025年8月、洋上風力業界に衝撃が走った。大手商社の三菱商事が秋田県沖と千葉県沖で計画していた洋上風力発電事業から撤退を発表したのだ。同社はコストやスケジュール、収益性の面で計画を進めることが困難だと説明している。特にコスト面の課題が大きいとされる。
日本のエネルギー自給率はわずか
「12.6%」
にとどまり、洋上風力には大量導入やコスト低減、経済波及効果などへの期待がかかっていた。では、再生可能エネルギーの主力電源化の切り札とされる洋上風力事業は、なぜ計画通りに進まないのか。