EVシフトを凍らせる「寒波」の呪い! 中国293都市の冷厳データが暴く、冬季1回で販売「10.1%減」の衝撃

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過去30年間で世界平均気温は10年あたり0.21度上昇している一方、中国では2024年初頭に記録的寒波が発生した。293都市を対象にした研究では、寒波が1回増えるごとにEV販売台数が平均10.1%減少し、バッテリー性能低下や航続距離制限、公共充電網への影響が顕在化している。寒冷リスクは低炭素輸送の障壁となり、都市交通や“2台持ち”の増加と直結していることが明らかになった。

EV普及に与える四つの影響

中国(画像:Pexels)
中国(画像:Pexels)

 寒波がEV普及に与える影響は、研究で四つのポイントとして整理されている。

 第一に、寒波による大幅な気温低下は、動力用バッテリーに深刻なダメージを与える。急激な低温は電解質を劣化させ、有害なリチウムメッキを生成する可能性が高まる。リチウムメッキは熱暴走のリスクを増大させ、最悪の場合は火災や爆発に直結する恐れがある。

 第二に、寒波はEVの航続距離と活用範囲を制限する。長期間の寒冷運転は安全リスクを高めるとともに、航続距離の不確実性が利便性を損なう。特に人口密度が高く屋外駐車場が多い都市では、EVの利用可能範囲が大きく制約される。

 第三に、持続的な低温は公共充電インフラに悪影響を与え、EVの使用にかかる時間コストを増加させる。寒冷環境に晒された充電施設は電力供給効率が低下し、充電時間が長くなるうえ故障率も上昇する。急速充電設備では特に問題が深刻である。

 第四に、寒波は電力網の安全性を脅かし、間接的にEVの購入意欲に影響を与える。寒波が頻発する地域では、電力供給の安定性への懸念が住民のEV購入意欲を低下させる。EVが多い都市では、寒波による電力網障害を回避し、交通渋滞や停電リスクを最小化する戦略の策定が政策課題として重要である。

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