駅前に残る「閉鎖百貨店」――日本一の人口増加率を誇ったベッドタウンは、なぜ「買い物難民の街」になったのか

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三重県名張市の桔梗が丘住宅地で、駅前の百貨店跡が閉鎖されたまま放置されている。市民からは再開発を望む声が上がるが、市の財政は厳しい状況にある。

住宅団地と人口減の影

丘陵地に戸建住宅が並ぶ桔梗が丘住宅地(画像:高田泰
丘陵地に戸建住宅が並ぶ桔梗が丘住宅地(画像:高田泰

 子どもの減少で桔梗が丘地区の県立高校は2018年、閉校した。

 団塊の世代の定年退職で通勤需要が減ったことから、桔梗が丘駅の1日乗降人員はピークだった1995年の約1万3100人が2024年で約4270人に(約67%減)。駅前から住宅団地内を巡る三重交通のバスは1時間に1~3本しかなく、週末は運休。市内を走るコミュニティーバスも平日限定で1日6便しか来ない。

 桔梗が丘駅から徒歩5分余りの場所にある商業区画へ向かった。片側1車線の車道の両側に歩道があり、ミニスーパーや郵便局、書店などが並ぶ。だが、空き店舗が目立ち、人通りは少ない。

 車道を走る車の数は割と多いが、平日の日中とあってか、ハンドルを握るのは高齢者ばかり。犬の散歩をしていた男性(77歳)は

「駅前がイメージダウンを引き起こして若い人が来ない。このままでは街が老人ホームになる」

と肩を落とした。

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