駅前に残る「閉鎖百貨店」――日本一の人口増加率を誇ったベッドタウンは、なぜ「買い物難民の街」になったのか

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三重県名張市の桔梗が丘住宅地で、駅前の百貨店跡が閉鎖されたまま放置されている。市民からは再開発を望む声が上がるが、市の財政は厳しい状況にある。

人口増加率日本一のけん引役に

名張市の位置(画像:OpenStreetMap)
名張市の位置(画像:OpenStreetMap)

 名張市は三重県西部の伊賀盆地南部に位置する。

 近鉄大阪線で大阪市まで約1時間の地の利を生かし、1963(昭和38)年に造成に着手した桔梗が丘を皮切りに大規模住宅地開発が相次いだ。高度経済成長期前は人口3万人程度だったが、1975年から約20年間に毎年、2000人前後の人口増があり、1981年に7.8%の増加で
「人口増加率日本一」

に輝いている。

 そのけん引役を果たしたのが桔梗が丘だ。1965年に入居が始まると戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代が夢のマイホームを求めて押し寄せ、近鉄で大阪へ通勤した。

 しかし、時代の変化で郊外より職場に近い都心部が好まれるようになる。名張市の人口は2000年の約8万5000人をピークに減少へ向かい、約7万3000人(約14%減)まで落ち込んだ。

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