テスラ「国内EV首位」に迫る! 日産との差わずか100台、海外勢値下げ攻勢が示す国産車の現実

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テスラの国内販売は8月に約980台と前年の2.1倍に急伸し、日産との差はわずか100台に縮小した。低迷する国内EV市場で、価格戦略と充電インフラ、普及モデルへの転換が奏功。海外勢の攻勢に対し、国産メーカーはモデル刷新や生産体制の見直しを迫られている。

日本EV勢の遅れ顕在化

テスラの急速充電網(画像:テスラジャパン)
テスラの急速充電網(画像:テスラジャパン)

 テスラの販売が日本で急伸した背景には、主力車種「モデル3」の値下げがある。2025年5月以降、在庫車を対象に最大55万円の値下げを実施した。CEV補助金を組み合わせると、399万円で購入できる価格となる。一方、高級帯の「モデルS」と「モデルX」の日本向け生産は2025年3月に終了し、普及帯の「モデル3」と「モデルY」に販売を集中させたことも奏功した。

 テスラはネット販売を軸としてきたため、2024年までの国内店舗数は14店にとどまっていた。認知度の低さを受け、実店舗重視に方針転換し、2025年中に30店、2026年には50店の展開を計画する。大型商業施設を中心とした出店戦略により、認知度の拡大を狙う。

 さらにテスラの強みは、独自規格の急速充電網にある。2025年6月時点で国内充電設備は約130拠点だ。短時間で充電できることがユーザーの不安を解消し、利便性を高めている。

 一方、日本勢は後れが目立つ。2025年8月のEV販売台数で日産リーフは193台にとどまり、前年同期比50%減となった。2017年以降のモデル刷新がなく、ピーク時の1割以下まで落ち込んだ。日産の軽EV「サクラ」は860台を維持するが、主にセカンドカー需要であり、ファーストカー需要はテスラに奪われる構図が鮮明となる。トヨタ「bZ4X」はわずか3台にとどまり、市場投入の遅れとEV戦略の不透明さが露呈した。

 国内EV市場は、航続距離への不安や充電インフラの整備不足を背景に伸び悩んでいる。構造的な課題として、EV開発における意思決定の遅さがあり、中国勢に対して周回遅れの感は否めない。補助金政策への依存も過剰で、メーカーとしてのコスト削減が進んでいない。また、充電インフラ整備を民間任せにする構造が、政策との整合性に欠ける側面もある。

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