究極のエコ? 空気から「ガソリン生成」――米国企業が切り拓く次世代燃料をご存じか

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地球温暖化対策の切り札として、空気からガソリンを生成する米Aircelaのe-fuelや、国内メーカーが進めるバイオ燃料開発が加速する。2030年商用化を目指す次世代燃料は、CO2削減と燃料自給率向上に直結する技術革新だ。

国内燃料自給の挑戦

次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(画像:トヨタ自動車)
次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(画像:トヨタ自動車)

 政府が2030年までの実用化を目指すバイオ燃料に関して、最近注目を集めるプロジェクトがある。自動車メーカーと燃料メーカーが旗振り役となり、産学官連携で開発を進めているのだ。トヨタやENEOSを含む7社は「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(raBit)」を設立し、8月末には生産施設を公開した。

 バイオ燃料はエタノールを主成分とするアルコール燃料で、ブラジルやアメリカでは既に広く普及している。ガソリンに一定割合を混合して使用され、植物由来で生成されるため、実質的にCO2排出がないとされる。しかし、原料として使われるトウモロコシやサトウキビは食料と競合するため、世界的な食糧不足を加速させるとの指摘もある。

 raBitではこの課題に対応するため、乾燥や痩せた土地でも生育が早い「ソルガム」という植物に着目している。福島県大熊町の研究施設では、ソルガムの生育や品種改良が進められ、生産量の増大が見込まれている。さらにトヨタは「トヨタ酵母菌」と呼ばれる植物発酵技術を有しており、植物セルロースからエタノールへの変換効率は95%と世界トップレベルに達している。バイオ燃料生成の技術は着実に整いつつある。

 同社は政府のロードマップに沿って2030年までの本格供給を目指している。それに先駆け、国内レースである「全日本スーパーフォーミュラ選手権」のテスト走行向けにバイオ燃料混合ガソリンが供給される予定であり、限定的な用途では実用化が目前に迫っている。

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