212億円損失で直訴! 英自動車部品CEOが「ガソリン車禁止撤廃」を求めたワケ

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英国の自動車産業はEV移行で混乱し、ダウライス社は2024年に212億円の損失。中国の急拡大、米国の減速、日本の鈍化と世界各地で普及ペースが分かれるなか、150兆円投資のGX2040で電動化は加速するのか。

英EV移行と業界混乱

英国(画像:Pexels)
英国(画像:Pexels)

 都市交通における個人の移動手段としての電気自動車(EV)普及は、もはや“確定未来”といえる。しかし、今後の普及ペースはどうなるのか。

 産業構造の変化に見合った普及が望まれる一方で、現実に即さないスピードは流通混乱を招くだけだ。英自動車部品企業の最高経営責任者(CEO)は警鐘を鳴らす。自動車部品サプライヤーの社長は、スターマー首相に2030年までのガソリン車販売禁止撤廃を要求している。

 英国のキア・スターマー首相は2025年4月、ガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止を、従来の2035年から2030年に前倒しすると決定した。タイムリミットまで4年余りしかない。現実的なシナリオに落とし込めるのか、疑問が残る。

 ロンドン証券取引所上場の自動車部品サプライヤー、ダウライス(Dowlais)社のCEOリアム・バターワース氏は、首相に不可能な目標の見直しを求める。英国が欧州や米国などと足並みを揃えるためには、現行目標では困難だという。

 バターワース氏の発言は、英国の自動車生産が1952年以来の最低水準に落ち込み、自動車業界全体で混乱が拡大している現状を踏まえたものだ。政府は2030年の禁止措置を緩和する必要があると訴える。

 英国の自動車業界は、EV移行にともなうサプライチェーン混乱と分断、インフレに直面している。バターワース氏は、30年間のキャリアのなかで“最も困難な時期”だと語っている。

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