東急「五反田駅」のホームはなぜあんなに高いのか? 都心延伸を阻んだ幻の計画、統合構想の残響とは

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都市ローカル線・池上線の五反田駅が“異様に高い”理由とは何か。全長10.9km、15駅を結ぶこの短距離路線には、未成線構想や財閥買収、幻の延伸計画など複雑な都市鉄道史が隠れている。地域密着型の交通インフラが形成された背景を、経済合理性と都市構造の視点から読み解く。

五反田駅の高架ホームの謎

五反田駅(画像:写真AC)
五反田駅(画像:写真AC)

 2000年代初頭まで、池上線には時代から取り残されたような空気が漂っていた。

 その象徴が五反田駅の接続動線だ。山手線ホームから池上線ホームへの乗り換えは階段のみで、先にあるのは当時珍しかった有人改札であった。

 都内で自動改札が普及するなか、池上線では駅員が鋏で切符を切る音が響いていた。昭和の面影を色濃く残す風景だった。

 初めてホームに立つ乗客が驚くのは、その高い位置にあるホームである。なぜこんなに高いのかと疑問を抱くのは自然だ。

 再開発前の五反田駅周辺は、低層の古い建物が多かった。池上線ホームの周囲には大きな空が広がっていた。戦後の都市構造がまだ生きていた風景である。

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