「軽自動車ユーザー」は必見!? 車内の騒音を激減させる「デッドニング」をご存じか
静音化ニーズを捉えた車内快適性対策

デッドニングとは、車体の鉄板やプラスチックパネルに制振材や吸音材を貼り付け、振動や騒音を抑えるカスタム作業である。車内の快適性を高める手法として知られている。この言葉は英語の動詞「deaden(消す・弱める)」に由来する。カーオーディオの分野では、不要な振動を抑制し、音質を整える工程を意味する。
純正の車のドアは、整備作業のための「サービスホール」と呼ばれる穴が多数空いた構造になっている。鉄板も薄く、これがスピーカーの音質に悪影響を与えている要因のひとつとされる。
こうした問題に対処するために行うのがデッドニングだ。施工により、ロードノイズやエンジン音、風切り音といった外部騒音を大幅に軽減できる。加えて、スピーカーの音質も改善し、運転中の疲労も抑えられる。
実際の走行中には、車内の騒音が70~80dBに達するケースもある。これは人が「うるさい」と感じ始めるレベルにあたる。デッドニングによってこの騒音を下げ、静かな車内空間を実現できる。
使用する材料には種類がある。制振材では、アルミシートとブチルゴムを組み合わせた複合材が一般的だ。高性能な製品では、180度の耐熱性能を持つものも存在する。この制振材を使えば、およそ12.5dBの遮音効果が期待できる。吸音材には、ウレタンスポンジやシンサレートといった多孔質素材が用いられる。特にシンサレートでは、14dB程度の吸音性能を発揮する。
これらの素材は、対応する周波数が異なる。そのため、目的や車両特性に応じた材料の選定と、的確な施工が求められる。
近年、自動車の軽量化に伴って鉄板がさらに薄くなっている。その結果、車内に入るノイズが増え、デッドニングの需要が高まっている。単なる音質改善だけではない。快適な運転環境を求めるユーザーにとって、有効な手段となっている。
ただし、すべてのユーザーがデッドニングの必要性を認めているわけではない。一定数は「不要」と考えている。そこで本記事では、実際の効果やデータをもとに、デッドニングの必要性について検証していく。