ガソリン車・ハイブリッド車が敗北! JAF実験が示すEV「冠水60cm突破」の実力、しかし火災リスクの落とし穴も
都市型豪雨による冠水被害が深刻化するなか、JAFが実施した実験でEVが水深60cmでも走行可能と判明。一方で、車種にかかわらず“水没後の火災リスク”は現実の脅威だ。見えない内部損傷が重大事故を招く。今、モビリティ選択と災害対応に新たな視点が問われている。
冠水路走行時の構造差

EVが深い冠水路を走破できた最大の要因は、内燃エンジンを搭載していない点にある。
ゲリラ豪雨や台風の後、冠水路で立ち往生する車両を多く見かける。その大半はエンジンが停止し、走行不能に陥ったガソリン車やHVだ。これらの車両は空気を取り込むことでエンジンを動かしている。吸気ダクトはエンジンルーム内にあり、水に浸かるとエンジン内部に水が侵入する。
この水の侵入が致命傷となる。わずかな水分でも点火不良を起こすうえ、内部部品を破損させる可能性がある。最悪の場合、エンジン全体の交換が必要になる。
一方、EVはモーターで駆動するため、外気を取り込む構造が不要だ。この構造上の違いが、水没時の耐久性に大きく影響している。冠水した路面でも、致命的な障害がすぐに発生するリスクは低い。
もちろん、EVにもリスクはある。実験では複数の警告灯が点灯しており、電装系のセンサーなどが一時的に異常を検知した可能性がある。車両内部の電装品は原則として防水設計が施されているが、水圧や浸水時間が影響するケースもある。
加えて、走行直後には問題がなくても、時間が経過してからトラブルが顕在化することもある。冠水路への進入は車種に関係なく、極めてリスクの高い行為と認識すべきだ。