なぜSUVは25年で「前方視界」が激減したのか? 米国調査が示す「死角リスク」の拡大

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最新SUVの視界は28%に低下。安全装備は進化する一方、ドライバーの死角は拡大し、歩行者・自転車の死亡事故は米国で37~42%増加。年々大型化する車体設計が視認性を悪化させ、交通安全の根幹を揺るがしている実態を米国研究が明らかにした。

大型化が招く視界悪化

交通事故イメージ(画像:Pexels)
交通事故イメージ(画像:Pexels)

 調査対象となった2台のセダン、ホンダ・アコードとトヨタ・カムリは、視認性の低下が最も小さい結果となった。2003年モデルのアコードは65%だった視界が、2023年モデルでは60%にとどまり、わずかな低下に留まっている。一方、カムリは2007年モデルの61%から、2023年モデルで57%に改善傾向を示した。

 10mから20mの視認性については、世代交代とともに改善するモデルもあれば、悪化するモデルもあり、結果はまちまちだった。

 フルサイズSUVなど、車高が高く運転席の位置も高い車種は視点が高く、周囲の状況を把握しやすいと一般にいわれている。しかし今回の調査は全く異なる結果を示している。走行テストセンターの運営ディレクター、ジェニファー・ストックバーガー氏は

「ドライバーが見通せない範囲は実際には増加しているのです」

と語る。

 つまり、年々大型化しボンネットが高くなっているSUVでは、新しいモデルほど視認性が低下しているのだ。

 この傾向を業界全体のトレンドと断定することはできないが、代表的な車両のデータは、前方視界が年々悪化している事実を端的に示している。

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