地方鉄道の半数が運転士不足──それでも“人気職”にとどまる理由とは何か?

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地方鉄道の半数が運転士不足に直面。2023年調査では140社中70社が人手不足と回答し、減便も現実に。職業人気は維持するものの、少子化と労働条件の厳しさが採用難を加速させている。各社は体験イベントを通じた次世代リクルートに活路を見出し始めた。

待遇と使命感のバランス課題

一般非公開、社員研修用の模型を使った体験も(写真:東武鉄道)
一般非公開、社員研修用の模型を使った体験も(写真:東武鉄道)

 地方鉄道では、すでに運転士不足が現実のものとなっている。一方で、鉄道運転士は「男の子が将来就きたい職業」ランキングから姿を消してはいない。

 ただし、日本全体で少子化が加速するなか、鉄道業界に限らず、新卒採用は今後さらに厳しさを増す。たとえ人気職であっても、限られた人材を奪い合う構図からは逃れられない。

 鉄道運転士の給与水準は、パイロットほどではないが比較的高いとされる。ただ、勤務は不規則で拘束時間も長く、人命を預かる責任に加えて、ワンマン運転の拡大により接客機会が増え、心理的負担も大きくなっている。「割に合わない」と感じる現場の声も少なくない。

 このような状況下では、優秀な人材を確保するためにも、待遇改善が欠かせない。

 とはいえ、子どもたちが職業に求めるのは、必ずしも収入だけではない。社会インフラを支えるという貢献意識も、重要な動機のひとつであるはずだ。

 鉄道会社がこれまで継続してきた子ども向けの公開・体験イベントは、将来の人材獲得という観点から、今後さらに重要性を増すことになるだろう。

●参考文献
・地方部における鉄道運転士不足の現状と対応策
・学研教育総合研究所小学生白書ウェブ版

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