中国EVバブル崩壊の危機? 広汽FCA破産で露呈した「1620億円」負債、欧米勢合弁撤退のカウントダウンか
2025年7月、広汽FCAの破産申請が正式承認された。負債総額1620億円超の巨額赤字が示すのは、中国EV市場で進む合弁モデルの機能不全と激しい淘汰だ。欧州系メーカーの中国販売は2017年の20万台から2021年には2万台に急減。データ連携やOTA対応が必須となる中、単なる資本提携では戦略遅延を招き、事業基盤の抜本的な再構築が不可欠となっている。中国市場の変化は、グローバル自動車産業の再編を決定づける重要な転換点だ。
品質不信と高価格

広汽FCAの中国販売は2017年に20万台を超え、ピークに達した。ジープのチェロキーやコンパスが主力車種だった。だが2018年には12万台余りへ急減し、2021年にはわずか2万台にまで落ち込んだ。
販売急落の要因は品質問題にある。
「複数のジープ車が走行中に動力を失う現象」
が報道され、原因不明のエンストが社会問題化した。複数車種で同様のトラブルが発覚し、消費者の信頼は失墜。ブランド価値は急速に毀損された。
さらに、ジープが得意とするガソリンスポーツタイプ多目的車(SUV)は、中国市場で加速するEV志向と乖離した。価格設定も高く、ラングラーやグランドチェロキーの販売価格は40万元(約800万円)を超える。輸入依存により価格競争力を失い、購買層を遠ざけた。
ステランティスは2021年9月、輸入と合弁業務を統合し、長沙工場での生産集中にかじを切った。稼働率の向上と経営効率の改善を狙った。一方、広州にある別工場は、広州汽車傘下のEVブランド向けに改修された。EV生産の拡充によって、広州汽車は経済合理性を確保した。
ただし、資産売却の道は険しい。これまで5度の公開入札がすべて不成立に終わり、中国市場の供給過剰を裏付ける結果となった。閉鎖が決まったVW南京工場も、すぐに買い手が見つかる見通しは立たない。
一時期話題となった“EV墓場”の再来が懸念されるなか、未活用の自動車工場が増え続ければ、中国市場全体で「工場閉鎖ドミノ」が現実となる可能性がある。