中国EVバブル崩壊の危機? 広汽FCA破産で露呈した「1620億円」負債、欧米勢合弁撤退のカウントダウンか
2025年7月、広汽FCAの破産申請が正式承認された。負債総額1620億円超の巨額赤字が示すのは、中国EV市場で進む合弁モデルの機能不全と激しい淘汰だ。欧州系メーカーの中国販売は2017年の20万台から2021年には2万台に急減。データ連携やOTA対応が必須となる中、単なる資本提携では戦略遅延を招き、事業基盤の抜本的な再構築が不可欠となっている。中国市場の変化は、グローバル自動車産業の再編を決定づける重要な転換点だ。
欧州勢を揺るがすEV転換

広汽FCAは2010年3月、広州汽車とFCA(現ステランティス)の折半出資により設立された。当初の投資額は4億ユーロ(約690億円)で、累計投資額は約170億元(約3400億円)に達した。
2012年6月、湖南省長沙市にある第1工場でフィアット「Viaggio(菲翔)」の生産を開始。事業は拡大し、2015年からはジープブランドの生産も始まった。
転機は2022年1月。ステランティスが出資比率を50%から75%に引き上げる方針を表明し、合弁関係は大きく揺らいだ。当時の広汽FCAは赤字が続き、2022年2月以降は正常な事業活動が停止。広州汽車は増資に応じず、ステランティスは2022年7月に合弁解消を発表し、同年10月には破産申請に至った。
広汽FCAの破産は、中国市場における欧州系メーカーの苦境を象徴する。かつて欧米勢は、急成長する中国市場で現地企業との合弁によって販売シェアを拡大してきた。しかし、EVシフトの加速や比亜迪(BYD)などの新興勢の台頭により、合弁事業は急速に競争力を失っている。
実際、フォルクスワーゲンと上海汽車の合弁による江蘇省南京市の組立工場も、閉鎖が決定した。VWは世界販売の3割を中国市場に依存しているが、2024年の販売台数は前年比10%減に落ち込んでいる。
一連の破綻と撤退は、中国市場における欧州メーカーの戦略見直しを迫る警鐘となっている。