首都高で見かける「AH1」という標識――いったいどんな意味?
江戸時代から続く日本橋は、国内道路網の起点としてだけでなく、約2万1000kmに及ぶ国際道路網「アジアハイウェイ1号線」の起点でもある。だが地政学的課題や法的未整備が現実的運用を阻み、構想は依然として道半ばにとどまる。未来の交通戦略を見据え、接続可能性を軸にその意義を再考する必要がある。
夢と現実が交差する戦略回廊

韓国からアジアハイウェイ1号線は西へと進む。しかし、韓国と北朝鮮の境界にある板門店は通過できないため、ルートは迂回を余儀なくされる。
韓国から中国に渡った後は、
・ベトナム
・タイ
・ミャンマー
・インド
・バングラデシュ
・パキスタン
・アフガニスタン
・イラン
を経由し、トルコへと至る。アジアと欧州の境界に位置するボスポラス海峡には橋が架かっており、車での通過も可能だ。
さらにその先、トルコの終点カプクレから西へ進めば、欧州を横断し、最西端のポルトガルまで到達できる。高速道路網は整備されており、物理的には走破可能な状態にある。
とはいえ、この約2万1000kmにおよぶルートを全線走破した者はいない。最大の障壁は、アフガニスタンとパキスタン国境付近の治安情勢だ。インドからカイバル峠を経てアフガニスタンに入るルートは設定されているが、この一帯は長年にわたり退避勧告が出ている地域。到達するだけでも困難であり、横断は現実的ではない。