ペダル踏み間違い「7割削減」──ワンペダル運転は「高齢者事故」を救うのか? 日産e-POWERが拓く新時代の可能性とは

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電動車比率50%超の時代、アクセル操作だけで加減速をこなす「ワンペダル運転」が注目を集めている。操作ミスの減少やコスト削減といった利点に加え、運転中の集中力向上も実証。技術進化とユーザー教育次第で、新たな運転常識となる可能性がある。

脳波が示す快適運転体験

ワンペダル操作の方がより運転を楽しめる?(画像:日産自動車)
ワンペダル操作の方がより運転を楽しめる?(画像:日産自動車)

 EVやハイブリッド車の普及が進むなか、ワンペダル運転が主流の選択肢となる可能性は十分にある。日本自動車会議所の発表によれば、2023年の国内電動車販売台数は前年比26.6%増の200万9725台に達し、電動車の販売比率は50.3%を超えた。この市場拡大の流れの中で、ワンペダル運転を標準装備とする車種が増加するかどうかが注目されている。

 実用性だけでなく、心理的な側面からもワンペダル運転には関心が集まる。産業技術総合研究所と日産自動車が行った共同実験では、ペダル操作が運転者の心理や脳活動に与える影響を検証した。実験は2018年1~3月に茨城県内の一般道路で実施。12人の被験者が日産「ノートe-POWER」を用いて、アクセルのみのワンペダル操作と、従来のツーペダル操作を交互に体験した。その結果、ワンペダル操作中の方が

「運転が楽しい」

と感じる傾向があり、脳波の分析でも自然な集中が高まる可能性が示された。

 ワンペダル運転には、長距離走行時の疲労軽減や、ストップ&ゴーの多い都市部での操作簡素化といった利点もある。アクセル操作のみでの減速が可能なため、渋滞時の運転ストレスも軽減されやすい。

 今後は、メーカーによる操作性の改善や、ユーザーへの情報提供が進むことで、受け入れの裾野が広がると考えられる。日産はすでに、体験試乗イベントの実施やオンラインでの操作説明コンテンツの提供など、普及を後押しする取り組みを始めている。

 現時点では、すべてのEV車種でワンペダル運転が標準装備となっているわけではない。ただし、技術革新とユーザー理解が進めば、この運転スタイルはEV時代における新たな常識となる可能性を秘めている。

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