ホンダが「大阪」にソフト開発拠点500人体制――なぜ“うめきた”に「第2の心臓部」を置くのか?
ホンダが大阪・うめきたに開設した新拠点は、約4,000平方メートルの都市型開発環境。将来500人体制へ拡張予定で、関西圏の高度人材を狙う。CASE・SDV化にともなう業界変革を見据え、地方分散による雇用戦略と産業構造の再編を加速させる先進的な布石だ。
都市型開発拠点の急増動向」

自動車産業は、新たな局面に突入した。CASE(Connected:つながる、Autonomous:自動運転、Shared & Services:共有とサービス化、Electric:電動化)という四つの変革を象徴する潮流が本格化し、業界構造そのものが変わりつつある。
さらにSDV(Software Defined Vehicle=ソフトウェア定義型自動車)の時代を迎え、自動車は「走る機械」から「ソフトで駆動するデバイス」へと進化している。競争力を左右するのは、もはや製造工程ではなく、設計思想そのものである。その中核を担うのが、
・グラフィックデザイン
・UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)
・AIアルゴリズム
といった領域だ。自動運転やコネクテッド機能の実現を支えるのは、まさにソフトウェアの力である。
こうした構造変化のなかで、ソフトウェア開発に携わる人材の働く場所も変わりつつある。従来のように、郊外の工業団地に立地する必要性は薄れた。これからの開発拠点には、都市型であること、そして創造性を刺激する環境であることが求められる。
実際に、自動車メーカー各社は都市部への拠点展開を加速させている。スバルは2025年2月、東京・渋谷に2拠点目となるソフトウェア開発拠点「スバルLab」を開設。マツダも2025年7月、東京・麻布台ヒルズに新たな研究拠点を構える予定だ。さらにトヨタは、2029年度に開業予定の新東京本社に、ソフトおよびAI開発拠点を設置する計画を明らかにしている。