ホンダが「大阪」にソフト開発拠点500人体制――なぜ“うめきた”に「第2の心臓部」を置くのか?
ホンダが大阪・うめきたに開設した新拠点は、約4,000平方メートルの都市型開発環境。将来500人体制へ拡張予定で、関西圏の高度人材を狙う。CASE・SDV化にともなう業界変革を見据え、地方分散による雇用戦略と産業構造の再編を加速させる先進的な布石だ。
電機と自動車が交差する拠点戦略

ホンダが大阪を選んだもうひとつの理由は、地場産業が抱えるエンジニア人材の獲得にある。関西圏には、パナソニックやシャープなどの電機メーカーが集積し、人材の層が厚い。電子部品産業も裾野が広く、京セラや村田製作所といった大手企業が、世界に通用する技術基盤を築いている。
自動車産業に目を向ければ、完成車メーカーのダイハツに加え、
・ニデック
・住友電気工業
・三菱電機
・デンソーテン
・ジェイテクト
など、開発拠点を持つサプライヤーも多い。関西には、ソフトウェア領域でも高度な開発力を持つ企業が揃っている。
大阪の新拠点で勤務する約100人のうち、85%がキャリア採用である。彼らの出身業種は、システムインテグレーター、鉄道、電機など多岐にわたる。ホンダが今後注力するのは、制御、組み込み、通信技術に強みを持つ人材の確保である。
同社にとって大阪拠点は、そうした潜在的人材に対して「関西に残りながら最先端の自動車開発に関われる場」を提示する意味を持つ。首都圏一極集中の採用構造に対するひとつの対抗軸として、関西からの地場回帰を促すケースともいえる。