「スーパーチャージャー」はオワコン? 欧州規制と燃費至上主義がもたらした過給機の転換、小型ターボが主流になった理由とは

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燃費規制と電動化の潮流が加速するなか、小排気量+ターボが世界の主流に。2024年には国内新車の半数以上が電動車となる一方、過給機のもう一つの雄・スーパーチャージャーは市場から後退。構造的ハンディと時代の要請の狭間で、その存在意義はいま再定義を迫られている。

市場データが示すターボ優勢

1.2リッター直噴スーパーチャージャーエンジン(画像:日産自動車)
1.2リッター直噴スーパーチャージャーエンジン(画像:日産自動車)

 自動車業界では、環境規制の強化と燃費性能の向上要請を背景に、ダウンサイジングターボが主流となっている。エネルギー効率に優れ、燃費と動力性能を両立できる点が評価されている。トヨタ、日産、ホンダをはじめ、多くのメーカーが1.0~1.5Lの小排気量ターボエンジンを主力車種に積極的に採用している。

 日本自動車販売協会連合会の統計によると、2024年の国内新車販売台数(普通車+軽自動車)は約478万台。このうち、電動車(ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車、燃料電池車)の販売比率は50%台後半に達している。

 欧州市場も同様だ。2024年の乗用車販売台数は約1156万台。そのうち電動車の販売比率は49.1%と高水準を維持している。

 こうしたなかでも、ガソリン車においてはダウンサイジングターボが依然として大きな存在感を示している。日本、欧州を問わず、ガソリン車は小排気量ターボエンジンが主流となっているのが実情だ。

 一方、スーパーチャージャー搭載車は減少傾向にある。国産車・輸入車を問わず、年々市場での存在感を失っている。2025年現在、量産される乗用車でスーパーチャージャーを搭載するモデルはごく少数にとどまる。特殊なスポーツモデルや限られた例外を除けば、ほとんど市場から姿を消している。

 かつては、日産「マーチ スーパーターボ」やトヨタ「MR2(AW11型)」など、スーパーチャージャー搭載モデルも存在した。しかし、これらはすでに生産を終了している。

 マツダの「SKYACTIV-X」のように、補助的な用途でスーパーチャージャーを採用する事例もある。ただし、これは従来の過給機付きエンジンとは異なる技術的背景を持つ。

 こうした搭載実績や市場データを踏まえると、スーパーチャージャーはごく限られた用途にとどまっているのが現状だ。

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