「準中型免許」って本当に必要か? 若者の就職を阻む“35万円の壁”──なぜ物流業界は「高コスト免許」を押し付けるのか
準中型免許の導入から8年、若年層の物流業界参入を狙った制度改革は期待を裏切った。1100万人超の保有者は年々減少し、取得費用40万円超の壁や限定的な対応車種が若者の参入を阻む。現場は制度と市場の乖離に翻弄されている。
若年層採用を阻む壁

長時間労働や低賃金を背景に、トラック運転手の人手不足が深刻化していることは既報の通りだ。この問題に対し、さまざまな解決策が試みられてきた。そのひとつが2017年3月に導入された「準中型免許」である。
準中型免許とは、貨物自動車の運転区分のひとつである。車両総重量が
「3.5t以上7.5t未満」
の自動車を運転できる免許だ。2017年3月に導入され、交通事故の減少と若年層の雇用促進を目的としている。取得条件は18歳以上で、中型免許以上の免許保有期間の制限はないため、高校卒業後すぐに取得できることが特徴だ。これにより、比較的若い世代が物流業界に参入しやすくなることを狙っている。
しかし、実際の効果はどうだったのか。導入から8年以上が経過した現在も、人手不足は緩和されていない。若年層の採用難は依然として続いている。なぜ、当初の期待通りの成果が出ていないのか。