日本の商船は「日本籍」を捨てたのか? 過去50年で激減! 85%が外国籍?日本の海運を蝕む「国籍ロンダリング」の行方とは
- キーワード :
- 船
全世界の商船の7割が「便宜置籍国」に籍を置く時代──税制・規制の違いが運航コストを左右し、船籍は経営戦略の要となった。日本も依存度を高めるなか、安全保障や環境対応をめぐり“旗”を選ぶ責任が問われている。
日本の状況と対応
日本は世界有数の船主大国でありながら、便宜置籍船への依存が進んでいる。その結果、日本船籍の減少が長年の課題となっている。
日本の商船隊は、過去50年間にわたり約2000~2500隻の間で推移してきた。1970年代前半には、日本船籍の船が1500隻を超えていた。
しかし、1970年代後半から便宜置籍船への転籍が進行し、ついに外国船籍の数が日本船籍を上回った。その後も外国籍船の比率は増加を続け、2007(平成19)年には日本船籍がわずか92隻にまで減少。日本商船隊に占める構成比は5%を下回った。
こうした状況を背景に、日本政府は一定数の日本船籍の確保に取り組んでいる。目的は、
・海上輸送の安定確保
・国際的なプレゼンスの維持
・有事対応能力の確保
などにある。具体的な施策として、税制優遇措置であるトン数標準税制の導入がある。また、海上運送法に基づく航海命令により、日本籍への迅速な転籍が可能となる準日本船舶制度の活用も進めている。
現在、日本船籍の船は300隻を超え、構成比は15%近くまで回復している。一方、日本商船隊における外国籍船の大半はパナマ籍であり、そのシェアは50%を超えている。