暴走族38人摘発! 終わらない「初日の出暴走」なぜ今も? 摘発強化の裏側、80年代の熱狂と変わる法規制
取締りが行われる理由

「1980年代から1990年代にかけて、初日の出暴走は年末年始の“風物詩”ともいわれるほどの規模を誇った。メディアでも繰り返し取り上げられ、社会現象として注目を集めていた」
当時の様子を知る人物として、筆者(小島聖夏、フリーライター)の知人である山梨県出身の50代男性はこう語る。年末年始になると、河口湖や山中湖、富士急ハイランド周辺には改造車やバイクが集まり、大渋滞が発生した。駐車場は暴走族の車両で埋まり、それを見物に来るギャラリーも深夜にかかわらず多数集まった。現地は異様な熱気に包まれていたという。
警察も対応に追われていた。高速道路や国道の脇には警察車両が待機していたが、改造車の数が圧倒的で検問が追いつかない状況だったと振り返る。
こうした事態を受け、取締りは次第に強化された。2002(平成14)年12月には、国土交通省が初日の出暴走への対策として不正改造車を対象に特別街頭検査を実施。その情報は国交省のウェブサイトにも記録されている。
この検査は、警察庁および自動車検査独立行政法人と連携して実施された。12月31日から1月1日にかけて、全国の運輸局と独法から計112名の検査官が出動。2002年から2003年の検査では、137台をチェックし、うち84件に整備命令が発令された。
背景にあったのは、暴走行為による一般車両や沿道住民への深刻な迷惑である。走行妨害、騒音、公道の機能低下など、多くの問題が発生していた。
近年は改造車両に対する規制が強化され、初日の出暴走そのものの規模も縮小傾向にあるとされている。そのため、取締りの必要性を疑問視する声もある。
しかし、2024年版の警察白書によれば、2023年時点で全国の暴走族グループ数は111、構成員は1万7049人にのぼっている。データからも、暴走族は依然として社会に存在していることが読み取れる。
しかも、集団での暴走は重大事故や交通機能の麻痺を引き起こすリスクをともなう。そのため、年末年始における警察の取締りは、現在も必要不可欠な措置とされている。