なぜトヨタは「日野」を手放すのか? 三菱ふそうとの統合劇、巨艦連合は救世主? 認証不正の傷、トヨタの深謀遠慮とは

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商用車業界で進む再編の核心に迫る。日野と三菱ふそう、年商1兆円超の2社が電動化・国際競争の荒波を乗り越えるべく統合へ。背後にはトヨタとダイムラーの静かな駆け引きも。単なる合併では終わらない構造変化が始まった。

日野と三菱ふそうの歴史

2025年ダカールラリーに出場したHINO600(画像:日野自動車)
2025年ダカールラリーに出場したHINO600(画像:日野自動車)

 両社の歴史を振り返ると、いずれも戦後の大型車両の復興を支えてきた。

 日野は、東京瓦斯電気工業を母体に大型車両を生産し、輸送インフラの中核を担ってきた。一方、三菱ふそうは、三菱重工業の前身である三菱造船が始めた大型車事業を起源に、2003(平成15)年からダイムラートラックとの提携を築いている。両社はディーゼルエンジン技術に強みを持ち、長距離および中重量輸送市場を分け合ってきたが、開発思想や販売ネットワークは全く異なるものだった。

 2022年には日野で排出ガス・燃費不正問題が発覚した。この問題はただの不祥事ではなく、従来の開発・認証プロセスの制度疲労を示すものであった。その後、エンジン性能競争からシステム統合を重視したモビリティ戦略への転換が進み、最終的に経営統合に向けた決断が下された。

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