物流危機 「2024年問題」は序章に過ぎなかった! 2025年以降も深刻化必至? 9万トン規制、CLO選任…荷主が変わらなければ――の現実
2024年問題により、トラックドライバーの時間外労働に上限規制が導入され、物流業界に深刻な人手不足が予測される。人員減少が続く中、政府は効率化と法改正で対応を強化。これからの物流を支える持続可能なシステムの構築が急務となっている。
CLO選任は義務ではなく有効な手段と捉えるべき

A社にしろB社にしろ、工場、営業、物流といった個別の現場に問題があったわけではない。工場や営業が協力することで物流コストを下げるといった「全体最適」の考え方が欠けていたのである。
では、その全体最適は本来誰が担うべきだったのだろうか。それは紛れもなく「経営者」および「CLO」である。
欧米企業では、CLOやCSCOは決して珍しい役職ではない。それだけが原因ではないが、日本企業よりも全体最適への意識が相対的に高く、収益力の差となって現れることもある。
だからこそ、CLOの選任は新物効法で義務付けられたことに従うだけの取り組みとして捉えるべきではない。サプライチェーンの全体最適を実現するための手段である。2026年4月の施行を待つことなくCLOを選任し、相応の役割・権限を付与することでサプライチェーン全体の最適化を推進すれば、他社に先んじて収益力を高めることができる。
また、物流危機のさらなる深刻化にも備えることができる。現場の属人的ノウハウに依存し、個別最適を優先しがちな日本企業の経営体質を変えるきっかけにもなるだろう。