日本のせいにするなよ? 「アメ車」が日本で売れない5つの理由 トランプの批判は的外れ?

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アメ車が日本市場で苦戦している背景には、価格や燃費、道路事情などの多様な要因が影響している。しかし、適切な改善策を講じることで、市場シェアを拡大できる余地は十分にある。特に、ディーラー網の強化や、消費者ニーズに合った車種の投入がカギとなるだろう。

アメ車が日本で売れるための改善策

ホワイトハウス(画像:Pexels)
ホワイトハウス(画像:Pexels)

 アメ車が日本市場で苦戦している理由は多岐にわたるが、改善策を講じることは可能である。デトロイトスリーが本気で日本市場を開拓したいのであれば、まずディーラー網の拡充に力を入れ、購入しやすい環境を整える必要がある。全国規模でディーラーを展開すれば、メンテナンスやアフターサービスの利便性が向上し、アメ車購入時の不安を軽減できるだろう。

 また、価格面では為替リスクを考慮しつつ、価格競争力を高めることが求められる。今後の為替相場が円安に転じた際には、即座に価格調整を行い、消費者の関心を引きやすくするべきだ。燃費性能の向上も重要な要素であり、ハイブリッド車やEVをラインナップに加えることで、競争力を強化できる。

 さらに、日本の消費者ニーズに適した車種を投入することが不可欠だ。大型SUVやピックアップトラックに加えて、日本の道路事情に合ったコンパクトなモデルを提供することが成功へのカギとなるだろう。このような戦略を実行すれば、アメ車が日本市場で一定のシェアを獲得することも十分に可能だ。

 一方で、日本の自動車メーカーにとっては、来月初めに予定されているトランプ米政権による輸入関税引き上げが新たな懸念材料となる。しかし、デトロイトスリーにとっては、日本市場での巻き返しを図り、適応していくことが今後の生き残りを大きく左右する。単に参入障壁の議論に終始するのではなく、消費者ニーズにどう向き合い、応えていくかが、今後の成功のカギとなる。

 なおゼネラルモーターズ・ジャパンは、キャデラック初のバッテリー式電気自動車(BEV)「キャデラック リリック」の販売を2025年3月8日から全国の正規ディーラーで開始した。右ハンドル仕様の導入は12年ぶりで、価格は税込1100万円。納車は同年5月以降を予定している。さらに、2車種のEV投入も計画されており、キャデラックの電動化戦略が本格化する。今後の販売動向が注目される。

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