大黒PA「無法地帯化」の根本理由! なぜ「クルマ好きの聖地」は混乱を招くのか? 違法改造、インバウンド…解決策はあるのか?

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横浜市の大黒PAは、年間数百万人が利用する高速道路の休憩施設でありながら、「クルマ好きの聖地」として独自の進化を遂げてきた。しかし、その知名度の高まりとともに、違法改造車や騒音トラブル、海外からの無断侵入といった問題が深刻化。経済的にも観光資源としての可能性を秘める一方、適切な管理が急務となっている。秩序を維持しつつ文化として活用するために、求められる解決策とは何か。

ベイブリッジ開放でアクセス改善

大黒PA(画像:写真AC)
大黒PA(画像:写真AC)

 例えば、月に1回程度、時間帯を限定して大黒PAで正式なイベントを開催することで、日常的な無秩序な集まりを減らすことができる。こうしたイベントでは、

・入場制限
・事前登録制

を導入し、参加条件を通じて違法改造車やマナー違反を排除する意識を高めることができる。

 また、こうしたイベントと併せて、積極的に観光資源として活用する方法も考えられる。この場合、特に重要なのは横浜ベイブリッジを活用したアクセスの整備だ。現在、ベイブリッジの徒歩ルート「スカイウォーク」は途中までしか進めず、大黒PA側に降りることができない仕組みになっている。これを特定のイベント時に限って開放することで、徒歩でのアクセスルートを確保でき、一般道から無断で侵入するような行動を防止できる。実際、過去には首都高が主催するイベントでベイブリッジを徒歩で横断する試みも行われており、不可能ではないだろう。

 さらに重要なのは、観光案内における明確なアナウンスだ。大黒PAは通常は休憩所だが、

「イベント時にのみ旧車やスーパーカーが合法的に集まるスポット」

であることを、公式ウェブサイトや観光ガイド、SNSアカウントを通じて発信することで、自然発生的なクルマ好きの集まりが引き起こす認識のズレを解消できるだろう。

 これらの取り組みによって、問題視されていた無秩序な集まりを秩序ある文化イベントへと変えることができるはずだ。

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