大黒PA「無法地帯化」の根本理由! なぜ「クルマ好きの聖地」は混乱を招くのか? 違法改造、インバウンド…解決策はあるのか?

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横浜市の大黒PAは、年間数百万人が利用する高速道路の休憩施設でありながら、「クルマ好きの聖地」として独自の進化を遂げてきた。しかし、その知名度の高まりとともに、違法改造車や騒音トラブル、海外からの無断侵入といった問題が深刻化。経済的にも観光資源としての可能性を秘める一方、適切な管理が急務となっている。秩序を維持しつつ文化として活用するために、求められる解決策とは何か。

暴走族から観光客まで集結

大黒PA(画像:写真AC)
大黒PA(画像:写真AC)

 大黒PAは1989(平成元)年9月に横浜ベイブリッジとともにオープンした、首都高速神奈川5号大黒線上のPAだ。

 その問題は開業当初から始まった。都内では改造車や暴走族への取り締まりが強化されており、それまで山下公園などに集まっていた彼らが、新たな集合場所として大黒PAを利用し始めたのだ。

 さらに1990年代後半には「ドリフト族」が急増し、大黒PA近くのスカイウォーク入口交差点は彼らの名所となった。週末の深夜には、改造車が過剰なマフラー音を響かせ、それを見物する観客であふれるようになった。

 近年では、電飾や車高を低くする改造車は減少したが、大型スピーカーを搭載し爆音を響かせる迷惑車両(改造ではなく摘発が困難な車両)は依然として存在し、大黒PAの問題は35年以上経った現在でも解決していない。

 さらに、大黒PAの問題を深刻化させているのは、違法車両だけでなく、さまざまなクルマやバイク好きが集まり、交流の場所となっていることだ。その結果、近年問題となっているのが

「インバウンドの殺到」

である。特に、徒歩でPAに入ることができない彼らが外壁の柵をよじ登って不法侵入する事例も発生し、新たな問題となっている。

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