EVは長寿命だった! 平均「18.4年」でガソリン車並みの耐久性、英国の最新研究で明らかに

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EVは、もはや未来の選択肢ではない。英国の最新研究によれば、EVの平均寿命は18.4年、ガソリン車と同等であり、走行距離も最大20万kmに達する可能性が示された。バッテリーの寿命や信頼性の向上により、EVは経済的に見ても環境的に見ても持続可能な選択肢となりつつある。

長寿命EVがもたらす市場変革

『The closing longevity gap between battery electric vehicles and internal combustion vehicles in Great Britain(英国におけるバッテリー式電気自動車と内燃式自動車の寿命格差の縮小)』(画像:Nature Energy)
『The closing longevity gap between battery electric vehicles and internal combustion vehicles in Great Britain(英国におけるバッテリー式電気自動車と内燃式自動車の寿命格差の縮小)』(画像:Nature Energy)

 これらの値が多くのメーカーの保証仕様を上回っていることは、ポジティブなニュースであり、保証で定められた年数または走行距離まで、少なくとも70%の残存容量が保証されることを意味している。現在、EVバッテリーの標準的な保証範囲は8年または16万kmである。

 研究によると、最初の3万kmでバッテリーの容量劣化が加速する理由は、最初の充電および放電サイクル中に電極材料と電解質の間に形成されるSEI層(固体電解質界面)と呼ばれる薄い不活性化層にある。このSEI層の形成中、リチウムは消費されるか劣化生成物に変換され、その結果、エネルギー貯蔵に使えるリチウムが減少し、初期の容量損失が顕著になる。SEI層が安定すると、容量損失のペース、すなわち劣化のペースは大幅に遅くなる。

 もちろん、車両やモデルによるばらつきも見られ、20万km以上走行しているEV車両はまだ少ないため、データに偏りがあることも指摘されている。それでも、EVのバッテリーはこれまで予想されていたよりもはるかに高い耐久性を持つことが示唆されているのは確かだ。

 もしEVが予想以上に長期間使用可能であれば、中古市場での活況が予想されるとともに、大量生産の抑制も進むだろう。自動車の生産台数が減ることは業界にとっては微妙な問題だが、必要以上に車を作らない社会が“エコ”であることも事実である。

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