「市が潰れてしまう」 北陸新幹線“小浜・京都ルート”は八方塞がり? 鉄道・運輸機構に南丹市が「待った」…日本の原風景の行方どうなる
京都府南丹市は、北陸新幹線小浜・京都ルートの工事開始を阻止すべく要望書を提出した。小浜・京都ルートの行方は、いよいよ八方塞がりの様相を呈し始めている。
注目される夏の参院選の行方

京都府市は2024年末の与党整備委員会ヒアリングで
・地下水への影響
・交通渋滞対策
・地元費用負担
などの懸念を示し、2025年度中の着工断念に追い込んだ。与党整備委員会と国交省、鉄道・運輸機構は説明会開催への協力を京都府市に要請し、承諾を得たが、京都市内の反対は沿線住民だけでなく、経済界や仏教界にも広がっている。
説明会で推進側の意見をどれだけ丁寧に説明しても、反対派を納得させるのは難しいとみられる。西脇隆俊知事や松井孝治京都市長からすると、盛り上がる反対の声を無視して小浜・京都ルートを受け入れることはとてもできないだろう。
さらに、石川県では
・県議会
・加賀市、小松市など県南部の首長
・金沢経済同友会
などから小浜・京都ルートを見直し、福井県敦賀市の敦賀駅から滋賀県米原市の米原駅を結ぶ米原ルートへの移行を求める声が上がっている。そこへ南丹市が加わることで小浜・京都ルート包囲網が次第に狭まってきたようにも見える。
与党整備委員会の議論をけん引してきた西田昌司委員長は、7月までに実施予定の参議院議員選挙で改選を迎える。西田委員長が立候補予定の京都府選挙区は共産党と日本維新の会、れいわ新選組、参政党が候補者の擁立を決め、立憲民主党にも候補選定の動きがある。
改選2議席を巡って激しい論戦が展開されるのは確実で、小浜・京都ルートの是非も争点のひとつに浮上しそうな状況だ。小浜・京都ルートの行方はこのまま、膠着状態が長期化する可能性が大きいが、選挙結果次第では一気に動くことも考えられる。