フルEV化はやはり幻想か? フォルクスワーゲン「エンジン車」生産延長! 戦略見直しは不可避? 欧州市場の減速を検証する

キーワード :
, ,
EV市場の減速が鮮明となるなか、フォルクスワーゲン(VW)がエンジン車の生産延長を決断する見通しだ。EV販売は2024年に世界で約75万台、欧州で前年比6%減と低迷し、ドイツでは27%減と大幅に落ち込んだ。補助金縮小や電気代高騰が逆風となる一方で、プラグインハイブリッド車(PHV)やハイブリッド車(HV)の需要は急拡大。EVシフト一辺倒の戦略を見直し、多様な選択肢を模索する動きが加速している。

VWの決断が投げかける問い

フォルクスワーゲンのロゴ(画像:Pexels)
フォルクスワーゲンのロゴ(画像:Pexels)

 フォルクスワーゲン(VW)グループは、3月にもエンジン車の生産延長を決定する見通しだと、独経済紙ハンデルスブラッドが報じた。この決定は、これまでの電気自動車(EV)シフト戦略を修正することを意味し、自動車業界全体にも大きな影響を及ぼす可能性がある。

 2021年にVWが発表した中期経営計画「NEW AUTO」では、2030年までにグローバルの新車販売に占めるEVの割合を50%とする目標を掲げていた。しかし、2024年のグローバルEV販売台数は約75万台にとどまり、EVの販売比率は8%に過ぎない。

 VWはこれまで「将来的に完全EV化は不可避」としてきたが、その前提が大きく揺らぎ、今後の車両開発ロードマップにも影響を及ぼす事態となっている。

 Wのエンジン車生産延長の方針を踏まえ、今後の世界的なEV化の進展とその流れを考察する。

全てのコメントを見る