マイカー共有の夢、なぜ崩壊? 「エニカ」終了の衝撃…オーナーのリスク、利用者の不安、「個人間カーシェア」市場に未来はあるのか?

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DeNA SOMPO Mobilityが運営する個人間カーシェア「Anyca(エニカ)」が2024年12月31日をもってサービスを終了。本稿では、Anycaのサービス終了に見る個人間カーシェアの課題と、シェアリングエコノミー全体が抱える問題、そして今後のモビリティ市場への影響について考察する。

シェアリングエコノミー全体への影響

カーシェアリングのイメージ画像(画像:写真AC)
カーシェアリングのイメージ画像(画像:写真AC)

 個人間カーシェア市場は成長が期待されていた分野であり、矢野経済研究所の調査によると、2030年にはカーシェアリング市場が1500億円を超えると予測されている。国内のカーシェアリング車両数は2023年3月時点で約5万台となっており、統計開始以来、プラス成長を維持している。

 しかし、この成長予測とは裏腹に、日本国内の多くの事業者が撤退している。これは個人間カーシェアに限らず、シェアリングエコノミー全体にも影響を及ぼしている。

 例えば、他分野でも「貸し手」と「借り手」のバランスが崩れた結果、運営が困難になるケースが増加している。特に日本では、所有物に対する愛着や責任感が強い文化的背景があり、「共有」への心理的ハードルが高いことが課題として浮き彫りになっている。

 興味深いデータもある。消費者庁が2023年10月に発表した「カーシェアリングの動向整理」によると、1世帯あたりのレンタカー・カーシェアリング料金の年間支出額は、2019年の2627円から2021年には1780円へと32%減少している。

 さらに、MM総研が2024年6月に実施した調査によれば、東京都、愛知県、大阪府、京都府、福岡県の5都府県におけるカーシェアサービスの利用率はいずれも10%未満であることが判明。最も利用されているのは法人形態の「タイムズカー」であり、個人間カーシェアの利用率はさらに低いと考えられる。

 法人形態のカーシェアとは異なり、個人間カーシェアにも独自のメリットがある。しかし、そのようなサービスが減少傾向にあるのは、非常に惜しまれる。

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