マイカー共有の夢、なぜ崩壊? 「エニカ」終了の衝撃…オーナーのリスク、利用者の不安、「個人間カーシェア」市場に未来はあるのか?
DeNA SOMPO Mobilityが運営する個人間カーシェア「Anyca(エニカ)」が2024年12月31日をもってサービスを終了。本稿では、Anycaのサービス終了に見る個人間カーシェアの課題と、シェアリングエコノミー全体が抱える問題、そして今後のモビリティ市場への影響について考察する。
オーナー側の負担とリスク

個人間カーシェアはシェアリングエコノミーの一環として注目されてきたが、利用者よりもオーナーの負担とリスクが大きすぎる点が課題となっている。具体的にどのような問題があるのか、いくつか挙げてみよう。
まず、車両の損傷や事故のリスクが挙げられる。DeNAの発表によると、2021年時点で約20万人のユーザーが登録し、多くの人が他人の車を利用していた。こうした状況では、ドライバーの運転ミスによる傷や汚れ、さらには事故のリスクが高まるのは避けられない。
保険でカバーされる範囲もあるが、車両の価値低下や修理期間中の機会損失、事故を防ぐための維持費などはオーナーの負担となる可能性が高い。
さらに、自家用車を他人に貸し出すこと自体に不安や不信感を抱くオーナーも少なくなかった。その懸念は実際の事故統計からも裏付けられる。
パーク24の調査によると、乗車中に事故を経験した人は約60%に上る。特に免許取得後1年未満の初心者ドライバーは約5人に1人が事故を起こしており、カーシェアリングを初心者が利用する場合、事故リスクがさらに高まることになる。
Anycaでは、免許取得年数が浅い申込者に対してオーナー側が貸し出しを断ることも可能だったが、これらのリスクを考慮すると、そもそもカーシェアリングのオーナーになること自体を敬遠する人が増えたと考えられる。