EVバブル崩壊? 100%関税でも止まらない? 中国新エネ車、国内「昨対31%増」のリアリティ、米国警戒強化の裏にあるものとは

キーワード :
,
EV市場は成長鈍化の兆しを見せ、主要市場での販売低迷が顕著に。特に欧米や日本ではEVシェアが減少し、「EVバブル崩壊」の見方が広がる中、中国市場は依然として堅調な成長を続けている。これにともない、各国の規制強化や競争激化が今後の市場を左右する。

HVとEV、各国市場の差異

中国の街並み(画像:Pexels)
中国の街並み(画像:Pexels)

 興味深いのは、これら三つの電動車の普及状況が国ごとに大きく異なる点だ。例えば、日本ではトヨタ・プリウスに代表されるHVが圧倒的なシェアを誇る。日本自動車工業会の統計によると、2023年に販売された乗用車のうち、53.9%が電動車で、その中でHVが50.4%を占め、PHV(1.4%)やEV(2.1%)を大きく上回っている。

 一方、中国市場は全く異なる方向に進んでいる。この中国におけるPHVの急成長はどう解釈すべきだろうか。

 明らかに、この変化は充電インフラの整備状況や都市部と地方での移動距離の違いなど、実際の使用環境を反映しており、EVとPHVという選択肢が共存し始めている。これは、中国の新エネルギー車市場が政策主導の「普及期」から、消費者のニーズをより重視する段階に移行しつつあることを示唆している。

 実際、景気低迷が続く中国だが、2025年には新エネルギー車の販売台数が2022年の2倍を超え、1200万台に達すると予測されており、世界で初めて新エネルギー車の販売が内燃機関車を上回る可能性もある。

 この予測の信頼性を考えるうえで重要なのは、2024年11月の時点で中国の新エネルギー車がすでに新車販売の45.6%を占めているという事実だ。成長率は鈍化しているものの、市場規模そのものは依然として拡大し続けている。

 世界を見渡すと、各国は依然として野心的な電動化目標を掲げている。EUは2035年までに新車販売をすべてEVまたは燃料電池車に切り替える方針を打ち出し、英国は2035年から前倒しして2030年に内燃機関車の販売を禁止する計画だ。米国も2030年までに新車販売の50%を電動車(EV、PHV、燃料電池車)にする目標を設定している。

 日本や中国も、HVを含む形ではあるものの、2035年までに新車販売の100%を電動車にすることを目指している。このように、各国の目標設定は依然として高い水準を維持しており、現状の停滞をもって「バブル崩壊」と結論づけるのは早計かもしれない。

全てのコメントを見る