なぜ「自動車保険料」は5%も値上がりするのか? 修理費と事故率が家計を直撃! その背景に迫る

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自動車保険料の値上げが進むなか、各保険会社は補償内容の充実に努めつつも、運転者自身の安全運転意識向上が重要視されている。特に年齢や車両タイプに応じた保険料見直しが進む一方、技術革新や社会変化への適応が今後の課題として浮上している。

高性能化と物価上昇のダブルパンチ

数字が大きいほど保険料が高くなる型式別利率クラス(画像:ソニー損保)
数字が大きいほど保険料が高くなる型式別利率クラス(画像:ソニー損保)

 保険料の高騰の大きな要因のひとつは、自動車の高度化にともなう修理費の増加だ。近年、自動車には安全性能向上のためのセンサーやカメラ、自動ブレーキシステムなど、高度な技術が搭載されている。これらの装備は、事故発生時の被害軽減に貢献する一方で、修理費用を高額化する要因にもなっている。

 最新の安全技術を搭載した車両は、事故時の修理費が高額化する傾向にある。特に、衝突回避システムなどに使用される精密なセンサー類は、損傷時の交換費用が高額となる。この状況に加え、昨今の急速な物価上昇が問題をさらに深刻化させている。

 自動車部品や塗料などの原材料価格が上昇し、それにより全体的な修理費用が増加している。これが結果的に保険料に反映されているのだ。

 また、新型コロナウイルスの影響が落ち着き、道路の交通量が以前の水準に戻ったことで、交通事故の発生件数も増加傾向にある。

 さらに、軽自動車の自動車保険を算出するための型式別利率クラスが、2025年1月から3クラスから7クラスに拡大される。これまで最大と最小の利率格差は1.2倍だったが、改定後は約1.7倍となり、リスクの高い利率クラスの車両は、保険料が高くなる可能性がある。

 このように、自動車の高性能化と物価上昇という二つの要因が、修理費の高騰を通じて保険料の上昇を加速させている。消費者は安全性と経済性のバランスを考慮する必要がある。

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