なぜ「自動車保険料」は5%も値上がりするのか？ 修理費と事故率が家計を直撃！ その背景に迫る

将来を見据えた対策

　自動車保険料の高騰は、自動車技術の進化や物価上昇など、複数の要因が重なり合って発生している。保険会社は補償内容の充実に努めているものの、根本的な解決には至っていない。ドライバー自身の安全運転への意識向上も重要だが、それだけでは十分とはいえない。では、今後どのような対策が求められるのだろうか。

　将来的には、自動運転技術の普及やシェアリングサービスの拡大など、モビリティを取り巻く環境が大きく変化することが予想されている。こうした変化に対応し、持続可能な自動車保険制度を構築するためには、関係者が連携し、新たな仕組みを検討する必要がある。

　具体的には、運転者の年齢に応じた保険料設定の見直しが行われている。特に、事故を起こす確率が高い以下の年齢層においては、保険料の値上がり幅が大きい。

・29歳以下
・70歳以上

　ただし、各年代において必ず保険料が値上がりするわけではなく、運転者の年齢や加入する自動車保険によって、対人賠償保険・対物賠償保険に車両保険を追加することで、保険料が値下がりするケースも存在する。

　また、保険料を見直す方法として、車両保険の見直しが挙げられる。自動車の価値が下がった場合、一般タイプからエコノミータイプへの変更を検討するのも効果的だ。これにより、自損事故などの補償が対象外となるが、保険料を抑えることが可能である。

　さらに、「免責金額」を高く設定することで、保険料を抑える方法もある。例えば、免責金額を「1回目ゼロ、2回目以降10万円」から

「1回目、2回目以降とも10万円」

に変更することで、保険料を削減できる。

　技術革新や社会構造の変化に対応した柔軟で効率的な保険制度の構築が、ドライバーと保険会社双方にとってより良い未来を実現することが期待されている。