予測不能なトランプ新政権! バイデン外交との違いが示す米中対立の次なる展開とは
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トランプ新政権の発足により、対中政策や貿易規制が再び注目を集めている。バイデン政権が多国間協調を重視したのに対し、トランプ氏は米国単独のディール外交を展開する可能性が高い。特に3700億ドル相当の関税措置など、過去の大胆な政策が今後どのように進化するかが焦点だ。企業は予測困難な規制の中で、生き残りの戦略が問われる局面に直面している。
対中外交と企業への影響

トランプ新政権が今月発足する。トランプ氏は秋の大統領選挙で、選挙人と票数でハリス氏を上回り、同時に行われた連邦議会選挙でも共和党が上院と下院で過半数を占めた。この結果、2期目の政権運営は政治的に非常に有利な状況となっている。
2年後に中間選挙が控えているため、トランプ氏は議会で多数派を維持するために一定の支持を意識するだろうが、忠実な人物を周囲に置いていることから、1期目以上にトランプ色が強くなるとの予測もある。バイデン政権から再びトランプ政権に戻ることに対して、企業の中には関税政策など、トランプ外交の行方を懸念する声も多いだろう。では、バイデン政権とトランプ新政権の対中政策、特に企業のビジネスに影響を与える貿易政策には、どのような違いがあるのだろうか。
まず、バイデン大統領は人権や自由、法の支配、民主主義といった価値観を重視しているのに対し、トランプ氏はこれらの価値観にはあまり重点を置かず、むしろ商取引的な観点から、他国から譲歩や利益を引き出すディール外交を基本としている。この点が両者の大きな違いとされる。しかし、対中姿勢に関しては基本的に大きな違いはない。
トランプ氏は「米国第一主義」を掲げ、対中関税を強化したが、バイデン大統領も中国による経済的威圧を問題視しており、サプライチェーンの強化や経済安全保障の観点から中国に対応する姿勢を明確にしている。そのため、バイデン大統領は日本や欧州などの同盟国との協力を強化し、中国に対抗するという点では、両者には共通のアプローチが見られる。