防衛予算はどう変わる? 狙われるイージス艦建造費「3920億円」の行方 削減の可能性は?
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2024年10月の衆議院選挙後、与党は議席を大きく減らし、野党の影響力が増加。しかし、予算案や法案の成立には依然、野党の協力が欠かせない状況。特に防衛予算の増額を巡る議論は、増税問題やイージス・システム搭載艦の建造費用など、未解決の課題が山積している。
衆参のねじれが生む新たな政治構図

2024年10月27日の衆議院議員選挙で、自民党と公明党は大きく議席を減らし、立憲民主党などの野党が議席を大きく伸ばした。ただし、野党が単独、あるいは連立で政権を奪えるほどの議席数は確保できていない。さらに、参議院では自民党と公明党が過半数を維持しているため、選挙後も連立政権は続いている。
一方で、法案や予算の成立には野党の協力が必要な状況だ。日本の仕組みでは衆議院が参議院に優越しているが、予算や法律を通すには両院で過半数の賛成が必要になる。過去には、参議院で与党が過半数を持たない
「ねじれ国会」
が問題になったが、今回は衆議院で過半数を持たない政党同士が連立を組み、参議院では過半数を維持するという、異例の構図だ。この状況では野党の協力が不可欠になっている。
こうした背景から、10月以降、野党の存在感が増している。特に国民民主党は連立政権に加わらず、与党との協議を通じて政策への影響力を強めようとしている。12月現在、
「103万円の壁」
の問題で国民民主党は与党との協議を続けており、交渉は難航しているものの、2025年の税制改正大綱に引き上げの方針が盛り込まれている。国民民主党が主張する178万円が実現するかは不透明だが、この事例は、従来のように与党だけで政治を動かせない状況を象徴している。