自動車のリサイクル率、98%からなぜ減少? 車体の「長寿命化」がもたらす意外な落とし穴とは
自動車リサイクル法は、資源循環型社会の実現を目指し、2005年の施行から大きな成果を上げた。しかし、近年リサイクル率が低下し、長寿命化やEVの普及など新たな課題に直面している。自動車リサイクルの次なるステップには、業界全体の連携と技術革新が不可欠だ。
長期使用がリサイクル効率を圧迫

自動車リサイクル率の維持が難しくなっている背景には、「自動車の長寿命化」が影響している可能性がある。実は、自動車リサイクル法第3条第1項では、自動車製造業者などに対し
「自動車の設計及びその部品又は原材料の種類を工夫することにより、自動車が長期間使用されることを促進する」
ことが求められている。また、第5条では自動車所有者に対して
「自動車をなるべく長期間使用することにより、自動車が使用済自動車となることを抑制するよう努める」
ことが定められている。実際、自動車の平均使用年数は年々延びており、2016年には15年を超え、2020年には16年となった。その結果、使用済自動車の発生台数は減少し、2009(平成21)年の392万台をピークに、2020年には315万台にまで減少している。
このように、自動車の長寿命化は使用済自動車の発生を減少させ、リサイクルシステムの効率性に影響を与えている可能性がある。