パイロットの飲酒問題、なぜ繰り返される? 2030年問題が迫る航空業界、その危機と安全確保に必要な対策とは

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JALでパイロットの飲酒問題が再燃し、遅延や欠航が発生した。2024年問題を背景に、パイロット不足が深刻化する中で、体調管理の強化が急務となっている。

プライバシーと健康管理の葛藤

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 国際線の運航では、時差の影響で体調管理が難しくなることがある。

 特に翌日の勤務に備えて良質な睡眠をとることが重要だが、寝付けない場合、睡眠導入のために飲酒することがある。飲み始めると節度を保つのが難しくなり、深酒してしまうことも考えられる。会食の場では、周囲の雰囲気に流されて過度に飲みすぎることもある。

 パイロットの飲酒が運航に与える影響は大きく、メディアで頻繁に取り上げられる。このため、パイロット自身がその重要性を認識し、ルールに則った飲酒を心がけることが求められる。しかし、完全に守りきれないのは、

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」

という心理が働くためかもしれない。航空会社特有の問題と人間の性(さが)が重なることで、決定的な対策を講じるのは難しい。

 今後、パイロットの飲酒に関する規定を厳格に守らせるためには、

「ウェアラブル端末」

を活用し、会社が日々の体調管理を徹底することを考慮すべきだ。現在、体調管理用のウェアラブル端末は非常に高度な機能を備え、3000円程度で導入可能だ。

 ただし、こうした機器の導入には、会社が労働者の管理体制を強化し、プライバシーを侵害しているとの批判も強い。確かにその面も否定できないが、「プライバシーの侵害がどこまでに当たるか」を定義することは難しい。そもそも、在職中の健康管理は、退職後も健康な生活を送るための基盤を作るものとして、積極的に評価されるべきではないだろうか。

 運航前点検だけでなく、日常的な健康管理を強化することが、パイロットやその他の職種にとって重要だと考える。

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