“限界集落”目前? 大阪・南港ポートタウン「高齢化率49%」の現実! 理想のニュータウンはなぜ時代に取り残されたのか?

キーワード :
, , ,
車両通行禁止を掲げて街づくりが進められた大阪市のニュータウン「南港ポートタウン」。しかし、今では人口減少と高齢化に悩まされている。理想の暮らしを目指して作られたこの街は、これからどうなっていくのだろうか。

理想の暮らしを再構築へ

許可車両だけを通す通行ゲート(画像:高田泰)
許可車両だけを通す通行ゲート(画像:高田泰)

 車両通行禁止は「事故の不安なしに子育てができる」として住民の間で賛同の声が強い。しかし、大阪府豊中市と吹田市にまたがる千里ニュータウンでは、

「共同住宅の専用駐車場を増やす」

ことで若い世代の呼び込みに成功した事例がある。子どもの頃からマイカーが当たり前の世代は、駐車場まで遠いことを不便に感じているのだろう。

 若い世代を招き入れるしかポートタウンが生き残るすべはない。そのためには時代の変化に対応することが必要だ。昭和の雰囲気は高齢者にとって慣れ親しんだ景色だが、若い世代にとって時代遅れで魅力的な場所に見えないこともある。

 集合住宅の約8割は1979(昭和54)年から1984年に整備された。築40年を超えた建物は近い将来、一斉に建て替え時期を迎える。若い世代の声に耳を傾けなければ、再生に向けた最後のチャンスを失うことになるが、そこへ古くても良いものをどう残していくのか、知恵の絞りどころが待ち構えている。

全てのコメントを見る