“限界集落”目前? 大阪・南港ポートタウン「高齢化率49%」の現実! 理想のニュータウンはなぜ時代に取り残されたのか?

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車両通行禁止を掲げて街づくりが進められた大阪市のニュータウン「南港ポートタウン」。しかし、今では人口減少と高齢化に悩まされている。理想の暮らしを目指して作られたこの街は、これからどうなっていくのだろうか。

再生へ住民、行政が活発な動き

咲洲ウェルネスタウン構想(画像:大阪市)
咲洲ウェルネスタウン構想(画像:大阪市)

 大阪市住之江区は課題解決に向けて地域住民らと意見交換し、2015年に再生計画の「咲洲ウェルネスタウン計画」をまとめた。趣旨に賛同した住民らがプロジェクトチームを結成、体験型イベントの開催やユーチューブ動画の公開で住環境の魅力を発信し、若い世代の転入を呼び掛けた。

 住民の駐車場はポートタウン外にある。高齢化で駐車場から自室まで重い買い物袋をさげて歩くのがつらい人が増えたのを受け、2016年に高齢者や幼児が乗った車、タクシー、荷物運搬車を規制対象から外した。車両通行禁止の趣旨を曲げない範囲で規制緩和せざるを得ないほど高齢化が進んだわけだ。

 ウェルネスタウン計画はポートタウンの魅力発信を中心とした2015年から3年間のフェーズ1前半を終え、2018年からフェーズ1後半に入っている。児童数の減った小学校を統合した小中一貫校、国際バカロレア教育を進める公設民営の中高一貫校が登場したのをはじめ、地上14階、55戸の分譲マンションが整備されるなど地域の変革が次第に動きだした。

 早ければ2030年からスタートする予定のフェーズ2では、インフラ更新など抜本的な対策に乗り出す計画。住之江区協働まちづくり課は

「住民と行政が力を合わせ、若い世代が済みたいと思える魅力的な街に変えていきたい」

と意欲を示している。

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