Z世代の旅行スタイルは「一人旅」「サウナ付き」? その理由と今後のトレンドを解剖する
Z世代が求める新しい旅行体験

旅行のトレンドは、旅行者のニーズに応じて常に変化している。
旅行業界にとっての重要な課題は、この変化にいかに対応するかだ。そのなかでも、特に注目すべきは
「Z世代」
と呼ばれる若年層の旅行者の動向である。彼らは従来の世代とは異なる価値観や行動パターンを持ち、旅行に対しても独自のアプローチを見せている。
宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム」が行った調査によると、Z世代の旅行に関する嗜好は従来のトレンドとは一線を画す新たな傾向を示している。
Z世代は1995年から2010年に生まれ、デジタル技術に囲まれて育った世代だ。インターネットやIT技術は彼らの日常生活に不可欠な要素であり、旅行の行動や嗜好にもその影響が色濃く反映されている。最近では、ホテルのロボットやAI対応のタッチパネルなど、テクノロジーを活用したサービスが増加している。この調査によると、世界のZ世代旅行者の
「40%」(日本では約30%)
がこうしたテクノロジーを活用した設備やサービスを求めているという。
特に注目すべきは、AIに対する高い信頼度だ。Z世代は旅行先を決める際、AIに相談し、AIが推薦するプランや行き先を信頼している。調査結果では、世界のZ世代の
「51%」(日本では29%)
が、人里離れた穴場スポットへの旅行について、AIのおすすめを信頼し参考にしていると答えている。
これは、Z世代が旅行にオリジナリティーを求めていることを示している。彼らは、定番の観光地ではなく、
・穴場的な場所での希少な体験
・観光地とは一線を画すリアルな体験
を重視している。
旅行業界にとって、この新たな価値観を理解し、Z世代のニーズに応えることは、大きなビジネスチャンスとなる可能性がある。
AIを活用して個別化されたおすすめを提供したり、テクノロジーを駆使した新しいサービスを開発したりすることが、Z世代の旅行者を引き寄せる鍵となる。例えば、AIを使った仮想ツアーガイドや、ARを活用した歴史的建造物の案内など、テクノロジーと旅行体験を融合させる新しいサービスの可能性は広がっている。