昭和の夜汽車を再現! 大井川鐵道「SL夜行」 チケット3分で完売の衝撃、ファンに愛された当日を振り返る

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かつて日本中を駆け抜けた夜行列車の時代が、大井川鐵道のSL夜行列車で蘇る。台風被害で一部不通の区間を活用し、わずか30分の運行ながらも「蒸気暖房」や「小型ライト」で昭和のノスタルジアを演出。特別列車の成功が示す、地域鉄道の可能性とは?鉄道文化復興への挑戦を追う。

レジャーブームと夜行列車

静寂のプラットホームに、スチームの音がかすかに響く(画像:広岡祐)
静寂のプラットホームに、スチームの音がかすかに響く(画像:広岡祐)

 大井川鉄道の夜行列車はこれが初めてではなく、1970年代後半に当時の国鉄とタイアップした山岳夜行の記録が残っていた。

 ゴールデンウィークの南アルプス登山客を対象にした臨時列車で、23時30分に東京を出発する大垣行の東海道線夜行(ムーンライトながらの前身となった普通列車)が午前3時4分に金谷駅に到着するのにあわせて、3時30分に金谷を出発。終点の千頭駅に到着後は井川線とバスで乗客を登山口まで輸送したようだ。

 国鉄は1950年代後半から1970年代にかけて、全国で登山客やハイカー、スキー客に向けた夜行列車を設定していた。レジャーブームの広がりとともに運転本数は増加、東京からほど近い上越地方へ向かう夜汽車は通勤列車なみの混雑となった。大学の山岳部や会社員の登山愛好会などが、土曜の夜行で現地に入る日程を組んでいたのである。

 谷川岳の登山口となる土合駅は、1960年代後半に完成した地下のホームから地上にのぼる長い階段が、夜行列車から降りた登山客で埋めつくされたという。

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