昭和の夜汽車を再現! 大井川鐵道「SL夜行」 チケット3分で完売の衝撃、ファンに愛された当日を振り返る

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かつて日本中を駆け抜けた夜行列車の時代が、大井川鐵道のSL夜行列車で蘇る。台風被害で一部不通の区間を活用し、わずか30分の運行ながらも「蒸気暖房」や「小型ライト」で昭和のノスタルジアを演出。特別列車の成功が示す、地域鉄道の可能性とは?鉄道文化復興への挑戦を追う。

夜の新金谷駅

いよいよSL夜行の受け付け開始。参加者に弁当を配る鳥塚社長(画像:広岡祐)
いよいよSL夜行の受け付け開始。参加者に弁当を配る鳥塚社長(画像:広岡祐)

 新金谷駅には、20時を過ぎると少しずつ乗客が集まってきた。50人の定員に対して、最終的な参加者は80人前後だったようだ。

 今回の列車はひとりで車内の1ボックス、4人分の座席を使えるというもので、料金はひとり1万8000円。人数が増えたのは、この料金で「2人まで」乗車できたためである。これは実に魅力的な設定だった。ガラガラのボックス席でL字型に身を曲げて眠るもよし、友人どうし向かい合い、足を延ばして一夜を過ごすもよし、思い思いに往時の旅のスタイルを楽しめるのである。

「国鉄時代に旅した世代の人にヒットしたのかなあ」

と山本さん。夜汽車に対する需要はたしかにあります、お客さまの期待に応えられればうれしい、と語った。コロナ前には旧型客車を使った長距離列車の再現運転があり、近年も「ナイトトレイン」と称して夕方から夜にかけての客車列車の運行している。さまざまな試行や実績の上での企画なのであった。

 そして今回は、6月に就任した鳥塚亮社長(61歳)の下での臨時列車ということでも注目された。千葉県のいすみ鉄道、そして新潟県のえちごトキめき鉄道で手腕を発揮した鳥塚さん。両社でも古い国鉄車両を活用した夜行列車の運転を行っているのである。

 乗車前の案内が行われ、スタッフによってチケットと時刻表、そして夕食の弁当が配られた。乗客はやはり年配者が目立ったが、若い鉄道ファンも多く、女性客のグループもちらほら。手続きの終わった参加者に、鳥塚社長が丁寧に弁当を手渡していく。

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